2007年12月1日17時35分
達也が入って、ポンテが足を引きずって、伸二が入って
永井が何度もクロスを上げて、ワシントンが何度も外して、
阿部がふらふらになりながら、長谷部が苦しそうに息をして。
それが全てだった。
こんなことってあるんだね。初めての体験だよ。
全力でやったのに、ゴールネットは揺れることなく。
どうしようもなかった。
これが浦和の2007年。今日は12月1日。
今シーズン、あんまり楽しくなかったなぁ。優勝を逃したから当たり前だけど。
ACLは楽しかった。
いやー、思い出のメカニズムとは、なるべくしてこうあるものなのだね、なんて。
セパハンに2-0で勝って、ACL優勝カップをキャプテン山田が突き上げた瞬間や、
2006年にガンバに勝ってシャーレを掲げたときと、
同じではない。どこも似ていない。
ああー……。
こういうことって、あるものなんだ。
Jリーグを制覇した次の年に、初出場のACLでチャンピオンになっちゃって、
そのあとプッツンしてシーズン唯一の連敗を喫し、
ダントツ最下位でJ2降格の横浜FCに負けて優勝を逃す。
運命だと思ったんだけどなぁ。前節鹿島戦のあの舞台、あのセッティングは。
しかし振り返れば、おかしくなってたのは清水戦辺りかと思う。
疲弊していた。限界を超えていた。限界を超えたその先で超人的に強く、守っていたけれど、
へなへなと音もなく崩れていった。
立て直す余力が、残っているようには見えなかった。
気持ちでは、本当に勝利を信じていたけど、
理屈では、もう難しいよと思っていた。
勝負はもういいから早く休ませてあげて、走らないでいいよ。
彼らを見ていて、一瞬でもそう思わずにはいられなかった。
でも、だからこそ。こんなにがんばっているのに。
鹿島戦ほどの悔しさはない。愛媛戦ほどの空虚な怒りでもない。
連敗をして、負けることに慣れただろうか。
いや、そんなわけはない。
今日のスポーツニュースで、私は鹿島の優勝の瞬間を見せ付けられる。
そういう意味では、敗北はこれからだ。
敗者になるのは、試合終了の笛が鳴ったときではないかもしれない。
試合後に映った選手たちの表情。まだ気持ちが走り続けてしまっているようにも思えた。
洗濯物を取り入れに出た外の冷たい風は、ストーブに火照らされた体を優しく包む。
紺色の空の遠い裾、わずか10センチほどの幅の、弱弱しい赤の帯が見えた。
がんばっているのは浦和だけじゃないんだよね。
例えば横浜FCは、サポーターに最後の勝利を届けたいとか
(解雇される選手の名前の多さに驚いた)。
J2には落ちるのは必ず2チーム。それと入れ替え戦。
毎年どこかが昇格してどこかが降格するんだよねぇ。
優勝だって浦和の関わらなかったシーズンどこが優勝したかなんて覚えてないし。
鹿島の10冠にもなんの思い入れもないし。
王者浦和の時代は終わったのか、まだ続くのか、来シーズンにならないとわからないけど、
いつか終わる。頂点に近いところに行ったんだから、いつかそこから落ちる。
で、それで、……
なんていうことをトイレの中で考えるんですよ。
優勝できなかったけれど、いつか人の心は過去を消化する。
(かと思えばくすぶっていたりして、それをまた糧にする日が来たりする)
imported on 2008/07/08